2015/04/12
トヨタ自動車は、今春入社した大卒新入社員に行う研修を大幅に拡充する。昨年度の研修期間は合わせて5カ月余り(約23週間)だったが、本年度は研修に丸一年を費やし、来年4月から職場に配属する。現場を重視した研修を充実させ、じっくり時間をかけて新人を鍛え上げる狙いだ。
トヨタによると、年間を通じて研修を受けるのは、事務職99人、技術職506人の計605人。
全体の集合研修が春と夏の2回に分けて計約11週間あり、昨年度の約4週間から大幅に増える。トヨタの歴史を学ぶといった従来の内容に、車の試乗や販売サービスなどクルマを知る研修が加わる。販売店での実習も3週間増やし、6~8月に約10週間行う。
9~11月には技術開発や国内販売などの本部別の研修を新たに設ける。配属先に内定した「現場」で約15週間、業務の基礎知識などを身に付ける。来年1~3月に工場実習をしてから、同4月に配属する。
トヨタは世界トップの自動車メーカーだが、現在は持続的な成長に向けて体質の強化に取り組んでいる。大卒研修に1年間をかけるのも「配属後も鍛えがいがある新人を育てる」(広報)ためだ。経営陣は「定年まで40年近く勤めるのだから、急いで配属させるよりも、いろいろ経験させた方がいい」としている。
大卒新入社員の研修期間と配属時期は企業によって異なる。ホンダは本年度、実習を含む8カ月の研修を行ってから12月に配属する。ソニーは職場での指導を重視し、入社して1週間で配属となる。トヨタグループではデンソーが約5カ月の研修後に職場配属する。豊田自動織機は4月下旬に配属後、11月末から4カ月間の工場実習を行う。
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