2015/03/27
ITベンチャーのスタンドファーム(名古屋市)は、インターネットにつながるパソコンさえあれば、会社に出勤しなくても仕事ができる仕組みを取り入れている。どこにいてもテレビ会議などを駆使して意思疎通ができ、作業も進められるため、ずっと在宅勤務しているスタッフもいるほど。約20人のスタッフそれぞれが最も生産性の高い働き方を選んでいる。
ネットで簡単に請求書が作成できるサービス「Misoca(ミソカ)」を運営する同社のオフィス。朝の会議が始まる10時半になると、スタッフら8人がノートパソコンを手に、部屋の真ん中にある長テーブルに集まった。
「昨日は東京へ行ってきました」。取締役の松本哲さん(37)が進行役になり、1人1人が前日に書いた日報を画面に映しながら、仕事内容や困っていることなどを報告。対応を決めた。会議には、岐阜市や愛知県長久手市にいる2人もテレビ会議で出席した。遠隔地にいる人にはパソコンに会議の様子を中継し、互いに会話もできる。
就業時間は午前9時から午後6時までが基本だが、朝の会議にさえ参加すれば勤務する時間帯や場所は自由だ。「もちろん会って話すことは大切で、毎日オフィスで仕事をするスタッフもいる。しかし雨が降っている朝などは、自宅で仕事をした方が生産性が高い」と豊吉隆一郎社長(33)。
2年半前からパートで働く岐阜市の片桐英人さん(45)は、子育てをしながら在宅で働き、1度も通勤をしたことがない。「自由に働けて助かっている」と話す。
仕事の打ち合わせは、短い文章を書き連ねる「チャット」という仕組みを活用する。会話の流れをスタッフ全員が後から確認でき、誰でも発言できるのが利点で、電子メールは社内では使わないという。
スタッフの働き方を厳密に管理しているわけではなく、お互いの信頼関係があるため成り立っている側面もある。豊吉社長は「IT企業で小規模だからできる働き方かもしれないが、場所にとらわれないで働ける時代になった」と語る。(稲田雅文)
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