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【愛知】トヨタ 漢字肩書復活を検討「工長」「組長」若手育てて

2015/01/25

 トヨタ自動車は、国内工場の生産現場を束ねる係長級の「チーフリーダー(CL)」と現場を監督する「グループリーダー(GL)」に、それぞれ「工長」「組長」という日本語の肩書を復活させる検討に入った。組織の「長」として若手を育てる責務を自覚させ、現場のカイゼンの力をさらに強める狙い。来年からの復活を目指しており、実現すれば25年ぶり。

 トヨタ幹部は「片仮名で分かりづらくなった序列を日本語ではっきりさせ、後輩の面倒をしっかりみる上司になってほしい」と話している。現在、労使が議論を続けており、手当の新設なども検討している。

 CLは3~4人のGLを束ね、GLはその下で3つほどの「班」を指揮している。1991年まではそれぞれ、工長、組長という名称だった。かつて工長は威厳のある「現場の神様」、組長は面倒見の良い「おやじ」とも呼ばれたように、トヨタは肩書を元に戻すことで、強いリーダーシップの発揮を期待している。

 GLの下には、5~8人で構成する班ごとにチームリーダー(TL)がいる。本来はTLが現場に一番近い立場で直接指導するが、近年は繁忙時に自ら作業する機会が増え、若手の創意工夫を引き出す余裕がなくなっていた。

 トヨタは、現場のチーム活動で成果を出し続けるためには指導の役割を明確にする必要があると判断。工長を「中期的に人材育成の仕組みをつくる責任者」、組長を「現場第一線のきめ細かな監督者」、TLを「ものづくりの基本を教え込む作業指導者」と、あらためて位置付ける考えだ。

 トヨタグループでは、豊田自動織機も95年に工長を「フォアマン」、組長を「組リーダー」に変えたが、「分かりづらい」として2009年に戻している。