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【暮らし】はたらく/上司のタイプ知って対処 ボスマネジメントのすすめ

2015/01/05

「無視」「嫌がらせ」やめよう

 今日は多くの会社で仕事始め。昨年は仕事でうまくいかなかったけれど、今年こそ「心機一転、頑張ろう」と考えている人も多いのでは。ただ、職場の悩みで多いのは人間関係。これが一番難しい。そこで今回は上司と部下の関係に焦点を当て、それぞれの専門家にアドバイスをもらった。 (寺本康弘)

 ◇ ◇ ◇

 指示が細かい、理不尽なことで怒られる-。上司への不満を挙げればきりがない。「よい上司ならもっと仕事ができるのに…」と、ぼやきたくなるが、その反対に上司を使いこなすという考え方「ボスマネジメント」がある。解説した「上司取扱説明書」(同友館)の著者、藤野祐美さんに代表的な上司三タイプと対策を挙げてもらった。

 その一方で、藤野さんは最も大切なこととして、部下側が上司に頼らない姿勢を挙げる。「『上司が何もしてくれない』や『上司なのに何も知らない』と、嘆いても仕方がない」と言い切る。

 上司は何でもできるスーパーマンではなく、単なるポジションにすぎない。何ができるか、何が得意かを知り、その〝機能〟を使うために、自分がどう関わっていくかを考える方がいいという。

 反対に最もしてはいけないのは、腹立たしい上司に対して、無視したり、嫌がらせをすること。「すっきりするのは一瞬だけ。嫌な上司も同じ船に乗っている人。邪魔しては結局、自分も目的に到達できず困るだけ」と説明する。

 「上司を好きになる必要はないし、気が合わなくてもよい。上司の持っている機能を分析し、どうしたら使えるかを考えて付き合えばよい」と話している。


◆攻撃型〈同意しないと怒りだす〉
◆意見を否定しない

 部下は自分の同志であると思い込み、反対意見を言われると攻撃するタイプ。どのような環境にあっても常に前向きで挑戦を好む。「担当としてはこう思います」と、正論で反対しても「だから、おまえはダメなんだ」と否定してくる。

 対策は上司の意見を否定した瞬間に攻撃的になるので、賛成しないまでも反対はしない。賛成していれば基本的に問題は起きない。どうしても上司の間違いを正さなければならない場合は、さらに上の上司から言ってもらうようにする。


◆混沌型〈日によって指示が変わる〉
◆こまめに報告する

 興味のおもむくまま、混沌(こんとん)的に仕事をするタイプ。指示がその日によって変わったり、仕事の流れを無視したりする。依頼された通りに資料を作っても「そんなこと頼んでいない」「こんな資料じゃないだろう」と言う。「さっきと違います」と言っても「おまえ、古いんだよ」と返される。

 上司の考えは変わるものと認識する。資料作成のときは、完璧を目指さない。いくら頑張っても無駄になるので、最小限で作って見せる。やり直しのできる範囲でこまめな報告をする。上司と二人だけで議論せず、ミーティングの場など、複数の人がいる場で議論して決めておく。


◆不在型〈肝心なときに姿を消す〉
◆自分で判断の好機

 肝心なときに姿を消すタイプ。クレームの電話がかかってきたときや、役員が業務を問いただそうと職場に来たとき、さっきまでは確かにいたはずなのに…。結局、部下が矢面に立たされる。上司にしてみると、いなかったので「見ていない」「聞いていない」と責任回避の理由にする。

 心構えは、上司がいないのは当たり前と考える。自分の判断で決められるチャンスと捉える。後で何か言われても「いなかったですから」と理由になる。判断したくなければ、不在を理由に「できない」「答えられない」と説明する。