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【地域経済】職場発泣き笑い(21)猛暑の中 飛び込み営業

2014/12/26

 安倍政権が進める経済政策・アベノミクスで株式市場が活況だ。東海東京証券(名古屋市)で営業を担当する中野元(げん)さん(28)はリーマン・ショック後の厳しさもくぐり抜け、顧客開拓に励んでいる。

 ◇ ◇ ◇

 2008年に入社し、名古屋市中村区の営業担当になりました。個人のお宅に飛び込みで営業をするのですが、歓迎はしてもらえません。とにかく朝から晩まで、住宅街の端から端までインターホンを押す。最初は何を話したら良いのかも分からず、一軒一軒回りながら、勉強をしました。

 北海道出身なので、名古屋の夏の暑さはきつかったですね。同期が慣れない環境で体調を崩して救急車で運ばれたという話もあって「何てところで働いているんだ」と思ったこともありました。初めて口座開設につながった中小企業の社長さんのところには、十回ぐらい通ってやっと席に座らせてもらえました。他の証券に預けていた資産も全部任せてもらえて。自分を信頼してもらい、本当に感動しました。

 でも、入社後半年ほどでリーマン・ショックが起きてからは大変でした。株価下落で大きな損失を出してしまったお客さんに申し訳なくて、顔さえ出せない時期もありました。それでも営業はしないといけないので、こっそり担当地区以外の場所に足を延ばしたこともあります。今となってはいい思い出ですけれどもね。