2014/12/04
三重県熊野市のミカン農家、鈴木翔さん(31)には、仕事を脅かす“天敵”がいる。夜ごと畑に侵入してくるイノシシや害虫だ。自然が相手だけに、被害が出たときにはやり場のない憤りや悲しさが残る。
山の近くのミカン畑では、よくイノシシに実を食べられます。柵で囲ったのですが、隙間があれば入ってくるので油断できません。私の畑の周辺はサルもシカも出るので、獣害と隣り合わせです。
昨年はカメムシにやられました。ミカンにつくと皮が傷ついて、価値が下がります。外観が悪くなるだけでなく、ひどいと落果するときさえあります。
動物や昆虫だけではありません。台風にはいつも悩まされます。風が吹けば、実が枝に触れたりして傷むし、大雨で水に漬かったりするし。今年の秋は2度も台風が上陸して、大変でした。自然相手だと、仕方ないんですけどね。
3年前、この地域は台風で洪水に見舞われ、住んでいた借り家も天井まで水が押し寄せました。妻と長男と屋根に脱出して、消防のボートに助けてもらいました。
こんな苦労を分かち合うため、新規就農した同年代の仲間とはよく交流しています。重労働の摘果を手伝ってもらったりもしました。みんな金銭面でも大変なはずなのに、農業を辞める人は少ない。熊野のゆったりした空気を気に入っているのかもしれませんね。
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