2014/12/03
三重県南部の熊野市は、特産のミカンが出荷の最盛期。6年前、同県北部の四日市市から移り住んで就農した鈴木翔さん(31)は働きづめの毎日だ。
収穫期になると午前6時半からミカン畑に出ます。日暮れまで実を摘んで、選果して箱詰めにします。作業が終わるのは夜九時ごろかな。収穫が遅れると木に負荷がかかるし、販売価格も安くなるので必死です。
自分のミカン畑は1・5ヘクタール。全部、地元のお年寄りから「高齢で手入れができないから任せたい」と言われて借りた土地です。頼りにされているんだから、荒れ地にならないようにしなくてはならないですね。
もともと広大な土地への憧れがあって、北海道の畜産系の大学を卒業した後、熊野市の若手就農制度を利用して農業の世界に飛び込みました。手をかけるといい果実ができる。想像以上のやりがいです。妻も大学の同級生なので、文句も言わずに手伝ってくれます。
でも会社員の友人を見ると「違う人生があったかも」とも思います。まだ赤字経営で、ミカンの収穫がない初夏に近くの梅農家でアルバイトして赤字を穴埋めしています。4歳と2歳の息子に十分な教育を受けさせてやれるのか。借り家じゃなくて、持ち家を建てることができるのか。日々、悩んでいますよ。でも農家としての夢を捨てるには早いので、もう少し頑張ります。
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