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【社会】大卒内定率 4年連続増 68.4% リーマン前の水準回復

2014/11/15

 来春卒業予定の大学生の就職内定率は10月1日現在、前年同期比4・1ポイント増の68・4%で、4年連続上昇したことが14日、厚生労働、文部科学両省の調査で分かった。厚労省によると、2008年のリーマン・ショック前の水準にほぼ回復したが、依然内定を得られていない学生は推計で約14万人おり、ハローワークを通じ支援を続ける。

 厚労省の担当者は「企業業績が回復して人手不足感が強まり、企業の採用意欲が高い。中小企業では中途採用も難しくなっているようだ」と分析。ただ、今年四月の消費税増税などで消費の落ち込みが続いており、影響を受ける企業を中心に、来年以降の採用活動には不透明感も残る。

 厚労省によると、ほぼ全ての業種で求人状況が改善。大学生の地域別は軒並み上昇し、関東が3・0ポイント増の74・5%と最も良かった。中部と九州は昨年十月時点で前年同期比マイナスだったが、それぞれ6・3ポイント増の61・1%、5・5ポイント増の57・2%と好調に転じた。

 高校生の九月末現在の内定率は前年同期比8・8ポイント増の54・4%、求人数は32・6%増の約28万人で、建設や製造業で大きく改善し、ほかの業種でも増えた。

 高校生の都道府県別の上位は福井(73・1%)、石川(71・9%)、富山(71・5%)、低いのは沖縄(15・5%)、北海道(31・6%)、熊本(43・1%)。東海地方では、愛知70・8%、三重66・7%、岐阜60・7%だった。

 調査は全国の国公私立大62校、約4800人を抽出し、約44万4000人の就職希望者に占める内定者の割合を調べた。高校生は就職を希望する約17万6000人を対象にした。