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【愛知】女性の活躍 社会の展望は

2014/09/07

連合愛知 名古屋で公開討論会

 働く女性をめぐる社会の課題や展望を話し合う公開討論会が6日、名古屋市中区役所ホールであった。労使双方や行政の代表、専門家らが意見を交わし、性別を問わずワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和、WLB)の問題として捉える必要性が示された。(赤川肇)

 ◇ ◇ ◇

 連合愛知主催の公開討論会「女性の活躍推進!を考える」(中日新聞社後援)で、市民や労組関係者ら400人が集まった。

 厚生労働省出身の吉本明子副知事は、女性が活躍する要点として(1)企業の方針やトップのかかわり方(2)男性を含めたWLBの見直し(3)女性自身が力を付けること-を挙げた。

 就労支援に携わるNPO法人キャリアデザインフォーラムの犬塚尚美代表は、女性の3割が結婚時、4割が出産時に仕事を辞めるとの調査結果を提示。「制度面は充実してきたが、管理職や男女それぞれの意識はどうか」と疑問を投げ掛けた。

 椙山女学園大の吉田あけみ教授(家族社会学)は、家事負担が諸外国と比べて女性に偏った現状に触れ、「男性より女性が選択を迫られる慣習が女性の活躍を阻んできた」と主張。職業だけでなく人生全般のキャリア教育の大切さを説いた。

 県経営者協会の清水順三会長(豊田通商会長)は経営戦略の上でもWLBを欠いた「滅私奉公型」の働き方を問題視。「長時間勤務するより、会社を離れて音楽や本に触れることで新しい発想や知恵が生まれる。そうしないとグローバル競争に勝てない」と、経営側の意識改革を求めた。

 連合愛知の土肥和則会長は、男女の賃金格差是正などを訴えつつ、女性の活躍を掲げた政府の新成長戦略には「『経済成長や人口減対策のために女性を』というのは違和感がある」と疑問視。女性の活躍が“手段化”しないようくぎを刺した。

女性の活躍推進について話し合うパネリストたち=名古屋市中区役所ホールで
女性の活躍推進について話し合うパネリストたち=名古屋市中区役所ホールで