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【愛知】ママ従業員の味方 託児室併設 春日井の美容院

2014/07/04

 ネイルサロンを併設する春日井市柏原町の美容院「プレシャスヘア」には、従業員の子どもを預かる託児室がある。客用の託児サービスは増えているが従業員向けは珍しく、「不規則な勤務でも利用しやすい」とママ・スタッフから好評。業界団体のコンテストでも高い評価を受けた。 (花井康子)

 店はガラス張りで明るい雰囲気。受付の隣が13畳の託児室になっている。託児スタッフ2人が常駐し、台所やトイレもある。ドアで仕切られているため、子どもたちが遊び回っても店内の静かな環境は保たれている。

 託児室は2009年に開設。午前10時から午後5時まで利用でき、料金は子ども1人につき1日500円。現在は20人の従業員が使っており、客の子どももOK。休日や長期休暇だけ利用する人もいる。

 ある従業員は「自分の勤務時間に応じて使えるので便利」。認可保育所は募集時期が決まっているため、出産や子育てでいったん職場を離れても、職場復帰の時期を自由に考えられるのも利点だ。

 母親を支援する姿勢が評価され、5月には、ネイルサロンの全国大会、第2回ネイルグランプリの「モデルサロンプレゼン部門」で全国196店の中からグランプリに選ばれた。

 大会の主催団体ネイルグランプリ(事務局・大阪)やNPO法人日本ネイリスト協会(東京)などによると、全国に2万1500店あるネイルサロンの中でも、従業員向け託児室がある店は珍しい。

 ネイル部門マネジャーの大久保恵子さん(33)は8年前、憧れていたネイリストの資格を取得。仕事を始めようとした直後に妊娠した。「美容院は土日曜、祝日が書き入れ時だが、休日は預け先が少なく、民間のベビーシッターは高くて」と当時、悩んだことを打ち明ける。「託児室のおかげで、子どもがいても夢を諦めずにやってこられた」と話す。

 「プレシャスヘア」本店の浄心店(名古屋市西区)と合わせて、60人いる従業員のうち9割が女性で、半数が母親。経営する平川匠さん(37)、瑞夕希(みゆき)さん(35)夫妻は「スタッフが満足していなければ、客を喜ばせることはできない。美容業界の発展のためにも、女性が働き続けられる環境をつくっていきたい」と話している。

「自由に使える」と美容院の従業員に好評な託児室=いずれも春日井市柏原町で
「自由に使える」と美容院の従業員に好評な託児室=いずれも春日井市柏原町で
ネイルサロンの全国大会でグランプリに選ばれて喜ぶ平川さん夫妻(左)と大久保さん(右)
ネイルサロンの全国大会でグランプリに選ばれて喜ぶ平川さん夫妻(左)と大久保さん(右)