2014/06/08
中部空港署警備隊小熊さん
中部国際空港(常滑市)をテロなどの国際犯罪から守る中部空港署警備隊に今春、女性警察官2人が初めて仲間入りした。屈強な男性警察官と一緒に、重い盾を持ってランニングする過酷な訓練もこなす。「体力的に厳しいけど、中部地方の空の玄関を守りたい」。このうち小熊美寿々巡査(21)=瀬戸市出身=は決意を口にする。 (安田功)
出国する旅行者らでにぎわう日中の旅客ターミナルビル3階。制服に「警備隊」の腕章を着けた小熊巡査の姿があった。いすに置かれたままの荷物や、不審な動きの人物の有無などに目を光らせる。夜は車で空港島周辺を巡回し、不法侵入など万一の事態に備えている。
テロやハイジャックを防ぐのが任務の警備隊は、他の職場以上に体力を求められるため、2005年の開港以来、男性警察官限定の職場だった。だが女性の活躍の場を増やそうと、県警は4月に門戸を開いた。
小熊巡査は、現職警察官の3つ上の兄に憧れ、高校卒業後に県警に入った。「助けを求める人の役に立ちたい」が信念だ。
春日井署から警備隊に異動後、当初は体力づくりが中心。機動隊員が身に着けるような重厚なヘルメットや防護服を着用し、左手には盾を持ち、署周辺を同僚らと同じペースで走り続けた。
「『女性だから仕方ない』と思われたくないから、必死に付いていった」と振り返る。
この2カ月、体を鍛えながら通常の警戒業務をこなし、国際テロ組織の情勢や過去の手口などの勉強も怠らない。空港は一般的にテロの標的になりやすいとされ、「小さいミスが一つも許されない。体力をもっと強化し、緊張感を持って仕事したい」と意気込んでいる。
中部空港署の倉知孝署長は「女性の目線でしか気付かないことや女性らしいアイデアがあるはず。空港を守るために活躍してほしい」と期待している。
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