2014/03/30
企業が就職活動する学生の「本気」を測ろうと、志望動機を記入するエントリーシートの手書きなど手間を求め始めた。インターネットによる活動が主流となり、文章もパソコンで簡単に複製できるようになる中で「真剣に志望する学生を見極める」(化学メーカー)ためだ。
応募段階で志望者を絞り込み、選考の負担を軽減する狙いもある。
携帯電話大手のKDDI(au)は今春採用者の申し込みから、ネットでの登録に加え、全員に書類郵送を必須にした。A4判のエントリーシートに2つの質問の回答を書いてもらう。手書きでもよく、絵を描いてもいい。人事担当者は「熱意や個性を知りたい」と説明。必要な時間や労力が増えるため、従来よりも応募者が減ったという。
三菱化学は営業など事務系の職種を希望する学生に手書きのエントリーシートの提出を求めている。志望動機など3つの問いに各400字以内で回答してもらう。「とりあえず応募してみようという学生は申し込んでこない。文字で人柄も見極められる」(広報担当者)のがメリットという。
このほかに、動画投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴは昨年12月、2015年春入社の採用試験で2,525円の受験料を取ると発表し、議論を呼んだ。「本当に入社したい人材に集まってほしい」との理由からだ。厚生労働省から自主的な中止を要請されたというが、同社は撤回していない。
ドワンゴによると、ことし2月時点の応募者は受験料を導入しなかった前年の採用活動と比べ64%減った。広報担当者は「本気の学生を絞り込めた」と効果を強調。今回の結果を踏まえて、続けるかどうか判断する方針だ。
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