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【経済】配偶者控除の縮小検討 女性の就労推進で政府

2014/03/19

 政府は、安倍政権が目指す女性の活躍を実現するため、専業主婦の妻がいる世帯などの所得税負担を軽減する配偶者控除の縮小・廃止を検討する。同制度が女性の就労意欲をそいでいるとの指摘があるためだ。19日の経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会合で議論する見通しだ。

 現行制度はサラリーマンの妻がパートタイムなどで働いている場合でも、妻の年収が103万円以下であれば控除を受けられる。夫の給与のうち所得税で年38万円、住民税で年33万円が課税対象から外れる仕組みで、夫の年収が500万円の場合、所得税と住民税で11万円程度の負担減となる。

 このため、労働時間を抑えて妻の年収を調整する例が多く、「103万円の壁」と呼ばれている。産業競争力会議の雇用・人材分科会が14日にまとめた提言は、「女性の就労に対して抑制的に働き、弊害が大きい」と問題点を指摘した。

 自民党税制調査会の野田毅会長も18日の講演で、配偶者控除の見直しについて「対応すべき課題だ」と述べ、今年末の税制改正作業で検討する考えを示した。

 ただ、配偶者控除以外にも、年収が130万円以上になると夫の扶養から外れて年金など社会保険料の負担が発生する「130万円の壁」がある。女性の就労を進めるには、社会保障も含めた全般的な制度見直しが必要との声がある。