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【愛知】個別労働事件が過去最多 13年新規19件、製造業目立つ

2014/01/23

 県労働委員会がまとめた2013年の労働紛争の取り扱い状況によると、労働者個人と雇用者側の間で起きた紛争を扱う「個別労働関係紛争あっせん事件」の新規申し出件数が19件に上り、制度が始まった01年以降で最多となった。同委の担当者は「労働組合の組織率が下がり続けていることに加え、雇用の多様化で組合に入っていない非正規労働者も増え、個人による労働紛争の解決の申し出が多くなっている」と分析している。 (河郷丈史)

 ◇ ◇ ◇

 12年以前の継続事件を含めた取扱件数は20件。このうち、有期雇用労働者が雇用期間を満了した後、契約が更新されないケースなどを含めた「解雇」と「パワハラ・嫌がらせ」が突出して多かった。

 業種別では製造業が9件でトップ。運輸業・郵便業、卸売業・小売業がそれぞれ2件で続いた。

 一方、雇用者側の団体交渉拒否などで労組側が救済を申し立てる「不当労働行為救済申立事件」の新規申立件数は21件。

 第1次オイルショックの影響が落ち着いた1977(昭52)年以降では、2012年(17件)を上回って最も多くなった。

 21件のうち、中小企業の労働者らが企業の枠を超えて個人で加入できる「合同労組」からの申し立ては18件(85・7%)。組合のない中小企業の従業員や非正規労働者が解雇などの問題を抱えた際に合同労組へ加入し、労組側が雇用側に団体交渉を申し入れたものの拒否され、救済を申し立てるケースが多いという。

 同委の担当者は「従来の企業内労組の組織率が減っていく一方、個々の労働者の紛争解決のニーズは高く、合同労組がその受け皿になっている」と分析する。