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やってみました 記者たちの職業体験ルポ お笑い劇団

2008/12/11

緞帳操作で“ボケ”

 裏方として舞台設営が主な仕事。十メートル近い垂れ幕のつり下げから音響の配線などをこなす。配線を粘着テープで張り、舞台そでのピアノの位置を動かした。細かい作業の多さにとまどっていると、「役者が万全の態勢で本番に臨めるように」と厳しい声が飛んだ。

 本番は緞帳(どんちょう)をボタンで上げ下げするのみ。「問題ないだろう」と油断していたが、終幕時、緞帳が下がるのに合わせて、お別れに手を振る役者がかがんでいく姿に、思わず緞帳を止めてしまった。視線が一瞬こちらに集まり「そのままでよかったんだ」と慌てて押し直した。

 終了後、座長の早香結さん(28)に「ナイスボケだった。三年くらい上げ下げをやってないとできない技」と、褒められ(?)、思わず苦笑いした。

 名古屋市の大須演芸場ですら、観客数が一けたの日が珍しくないという東海地区。地元で公演を繰り返しながら、代表の南平晃良さん(28)は「地区で一番の芸人になって、寄席を作りたい」と夢を見る。大きな目標に向かい、一歩ずつ前進する姿に共感を覚えた。(池田宏之)

    ◇

 【メモ】「笑劇派」のメンバーは7人。役者3人を音響、照明、マネジャーなどの専門スタッフが支える。今年はほぼ毎日公演が入った。見習いは、舞台の準備から始めるが、「比較的早い時期」に出演できるという。最初は、1回の公演で約3000円の報酬。正式なメンバーになるのは実力次第。見習い中はアルバイトをしている人も多い。