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【愛知】知立市が生活保護受給者支援 就活用スーツ貸し出し

2013/12/25

 知立市が、市内の生活保護受給者の就労を支援する取り組みとして、就職活動用スーツの貸し出しを始めた。市職員から募った中古衣料を活用する試みで、市は面接などでの効果を期待している。 (岡村淳司)

 民間企業で採用を担当した経験がある市臨時職員の就労支援相談員成瀬典志(のりゆき)さん(64)が、昨年秋にスーツの貸し出しを提案した。

 生活保護の制度では、受給者の就職が決まれば2万8000円以内の支度金を払われ、仕事用スーツの購入などに充てることができる。しかし、就職活動中は補助が無かった。成瀬さんは、受給者と接して「自分だけジャンパー姿で面接を受けて見劣りした」などの声を聞き、資力に乏しい受給者が不利になっているケースがあると判断。福祉課が現状を改善しようと、庁内で不用になった衣服を募った。

 今年10月から貸し出しを始め、12月1日までに2人が利用したという。男性向けに3通りのサイズのスーツ計6着とワイシャツ、ネクタイを用意。貸出期間は1週間程度で、ワイシャツは洗って返してもらう。今後女性にも拡大する方針だ。

 成瀬さんは「働く意欲のある人が少しでも有利になれば」と話している。

 市によると、市内の生活保護受給世帯は440世帯(11月末現在)。うち160世帯が就労可能で、その半数に就労の意欲がある。

就職活動をする生活保護受給者に貸し出すスーツ=知立市役所で
就職活動をする生活保護受給者に貸し出すスーツ=知立市役所で