2013/10/30
愛知労働局が29日発表した9月の県内の新規求人数は5万2513人で、前年同月に比べて19・2%増える一方、正社員の求人の割合は39・4%にとどまり、雇用形態別の統計を取り始めた2005年1月以降で最低となった。労働局は「期間従業員や派遣社員など非正規の求人は大きく伸びているが、正社員はまだ少ない」としている。
新規求人のうち、正社員は2万665人で前年同月比4・0%増。新規求人に正社員が占める全国平均は40・5%で、愛知は1・1ポイント下回る。
これに対し、派遣社員などをあっせんする紹介・派遣業の新規求人数は50・8%増の7千250人に上り、派遣系の伸びが際立っている状況だ。
製造業の新規求人は8,393人で、リーマン・ショック以前の08年6月以来、5年3カ月ぶりに8,000人台を回復し、前年同月比でも65・8%増となった。
労働局は「昨年9月はエコカー補助金の終了で求人が落ち込んだので、数字にはその反動が含まれる」としながらも「自動車関連産業の業績が好調で大企業の求人が伸び、中小企業についても回復の兆しが出てきた」とみる。
製造業の内訳では、自動車などの「輸送用機械器具」は2,627人(222・7%増)、自動車部品などの「電気機械器具」が1,063人(279・6%増)となった。
有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・02ポイント増の1・38倍で、7カ月連続で前月を上回り、東京の1・39倍に次いで全国2番目の高水準。正社員は0・84倍だった。
来春卒業予定の高校生を対象にした9月末現在の求人数は1万8,621人。前年同期に比べて7・5%増えたが、高卒者の就職先の半数以上を占めている製造業の求人数は6・3%減った。
正社員での就職が基本となる高卒者にとって、非正規の求人が多い製造業が狭き門になっていることがうかがえる。
(河郷丈史)
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