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【暮らし】54時間で立案から出資者探しまで アメリカ発・起業体験イベント

2013/10/04

 起業家の卵たちがチームづくりから企画立案、プレゼンテーションまでを週末の3日間で挑戦し、競い合うイベントが、世界中で広がっている。9月下旬に名古屋市で開催された会では、実際に起業に動きだす人も。参加者たちは壁にぶつかりながらも、新しい価値を生み出す楽しさをかみしめていた。

 ◇ ◇ ◇

 イベントは米国発祥の「スタートアップ・ウィークエンド」。現在、世界115カ国で開かれている。主催はNPO法人スタートアップ・ウィークエンド。名古屋市中区のオフィスを会場に、20、30代を中心にした社会人や大学生ら21人が参加した。

 これまで開催された東京や京都市などでは、女性が2割ほどいたが、名古屋市は全員男性。金曜日の夜から日曜日の夜まで、計54時間かけて起業体験をする。メンターと呼ばれる先生役は、ボランティアの起業経験者やベンチャー支援企業の担当者ら。

 まず金曜夜は、お酒を飲みながらの夕食から開始。その後、4班に分かれ、ランダムに出された2つのキーワードに関連する会社を考えるゲームで、緊張をほぐした。最後は全員が自分のアイデアや自身を売り込み、投票で評価の高かったアイデアを7つ選んだ。共感する人が集まり、7つの班で「事業」がスタートした。

 土曜日の朝からは、具体的に事業内容を話し合う。すると当初のアイデアが次々と崩れていく。事業計画をメンターに相談すると、「利用率計算の裏付けは」「既存大手に勝つための差別化は」などと、辛口の質問が飛ぶ。答えられず、閉口してしまう参加者も。

 考えが合わず、分裂する班も出てきた。既に他社がやっている事業と気付き、方針転換する班も。ある班は「激安ピザを売る」「3Dプリンターでフィギュアを作る」などと変わり、最終的には「起業家支援」に落ち着いた。メンバーの大学4年、井出晃資(こうすけ)さん(21)は「こんなに頭を使ったのは初めて」と苦笑い。

 苦悩する参加者たちに、メンターや進行役を務めた同法人理事長の李東烈(リドンヨル)さん(40)がさりげなくアドバイス。李さんは「行き詰まったら顧客に聞くこと」。アンケートをする際の設問の作り方も理論的に説明する。

 事業方針が決まれば、実際に街に出て市場調査をしたり、出資してくれる会社を探したり、試作品を作ったり。徹夜の人もいれば、仮眠のためホテルに戻る人もいるが、どの参加者も限られた時間の中で奔走した。

 そして日曜日の夕方、いよいよプレゼンテーション。水害に備えた水位計開発など8案が発表された。審査の結果、優勝はギターの音色に変化をつけるエフェクターを使ったゲームに決まった。実際演奏しているような気分が味わえるという。

 実際に近くの楽器店などを回り、出資者も“内定”。実現に向けて動いていくという。提案した名古屋市内の会社員藤田博基(ひろき)さん(43)は「メンターからの指摘で1度はどん底まで落ちた。普段の仕事ではできない経験だった」と話す。

 日本でも起業する人は増えつつあるが、すぐに失敗するケースも多い。李さんは「実際に経験し、小さな失敗を繰り返さなければ起業は学べない。重要なのは、アイデアよりパートナーだと実感してほしい。彼らに自分を高める機会を与えたい」という。

 イベントは今後も各地で開く。東京では品川、六本木で11月22~24日に開く。長野は松本市で12月6~8日に予定。名古屋市でも11月22~24日に予定するが、場所は未定。イベントは基本的にスポンサーの協力で運営されており、無償で会場提供してくれる企業や団体を募っている。問い合わせは世話役の小林さん=電090(1788)1454=か、電子メール=katsumi.kobayashi@startupweekend.org=へ。
 (田辺利奈)

起業アイデアについて、メンター(左側)らにアドバイスをもらう参加者ら=名古屋市中区で
起業アイデアについて、メンター(左側)らにアドバイスをもらう参加者ら=名古屋市中区で