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【愛知】中部大生 報酬型インターンシップ

2013/08/27

社会の厳しさ本気で挑戦
春日井商議所協力 職業観、マナー学ぶ

 春日井市松本町の中部大の学生が市内の企業で一定期間働く「報酬型インターンシップ(就業体験)」の試みが始まった。学生らは慣れない職場で職業観や社会人としてのマナーを身に付けようと奮闘している。(蓮野亜耶)

 学生に職業の適性を見極めてもらうとともに、市内での就職も促そうと、中部大と春日井商工会議所が3月に協定を結んだ。教育の一環として、無報酬で実施されることが多いインターンシップと異なり、ほかにアルバイトをしなくても、職業体験に本気で取り組めるように企業が学生に給料を支払う。

 今回は、10月からの本格実施を前にした事前企画。学生16人が7月末から14企業で最長9月13日まで働く。学生は10月から、1企業で半年から1年間、専攻分野を磨くか、2、3カ月ごとに専攻以外を含めて、複数の企業を経験するかのいずれかを選ぶ。

 経営学科2年の田中友理さん(20)は、商業施設の内装を手掛ける「キタガワ工芸」(上田楽町)で、パチンコ台の上に置いて配線などを収める「幕板」の製作を担当。パチンコの音を吸収する防音材を板に取り付ける作業などに追われている。

 今後、複数の企業で仕事を体験し、職業選択に役立てたい考え。「これ1つ作っていくらになると思う?」。普段は接することがない4、50代の社員から利益や原価など具体的な質問を受け、納期や品質など現実社会の厳しさに直面。「分からないことはすぐに聞くようにすることが社会人として大切なこと」と感じた。

 一方、工学部4年の小松山沙織(22)さんは、メーカーの製品の品質管理をする「グリーンテック」(下市場町)で体験。市内の企業から依頼されたプラスチック製品の付着物の成分などを顕微鏡などで調べている。

 日々の仕事で実感しているのは、専門用語に頼らず、分かりやすい言葉で依頼者に報告すること。「これまで苦手だった日本語の勉強も必要だと分かった」と話す。

 インターンシップを担当する同商議所雇用促進人材育成委の前田利裕委員長は「地域を明るくする人材を市内の企業が一体となって育てていきたい」と話している。

先輩社員に教わりながら幕板に防音材を取り付ける田中さん(右)=春日井市上田楽町のキタガワ工芸で
先輩社員に教わりながら幕板に防音材を取り付ける田中さん(右)=春日井市上田楽町のキタガワ工芸で
商品に付着した油の成分を調べる小松山さん=春日井市下市場町のグリーンテックで
商品に付着した油の成分を調べる小松山さん=春日井市下市場町のグリーンテックで