2013/07/27
印刷会社の従業員に胆管がんが多発している問題で、三重県の40代の男性が26日、名古屋市内で記者会見し、有害な洗浄剤の使用ががん発症の原因として名古屋西労働基準監督署から6月24日付で労災認定を受けたと公表した。支援団体「名古屋労災職業病研究会」によると、胆管がんの労災認定は全国20例目で、愛知労働局管内では初。
男性は1984~95年、名古屋市西区にあったオフセット印刷会社に勤務。印刷機の洗浄作業で、胆管がんの原因と疑われる「ジクロロメタン」を含んだ洗剤を大量に使用したため、胆管がんを患ったと主張していた。当時、工場には専用の排気装置がなく、マスクの着用指導や健康診断も行われていなかったという。
男性が胆管がんと診断されたのは、印刷業ではない会社の事務職に転職して10年以上経過した2007年。保険対象外で高額な粒子線治療を受けたが、10年に再発してリンパ節に転移、手術や抗がん剤治療が続いた。
労災認定で、時効期限内の10年4月~12年8月までの療養費と休業補償が国から支払われる。男性は来月上旬、07年の発症以降の全期間の療養費の補償などを追加申請する準備を進めている。
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