2013/07/21
ヘアメーク公開イベントも
8年前から、全国的に美容師を目指す若者の減少が続いている。美容業界を盛り上げようと、春日井市大手町の美容商品開発会社「ビーファースト」は、美容師へのインタビューを配信する動画サイトを開設。各地で美容師の魅力をアピールする動きが始まっている。
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ビーファーストは4月、美容師やネイリストが仕事のやりがい、夢を語るインタビュー映像を配信しようと、動画サイト「デザイナーズ・ボイスTV」を始めた。動画で生の声を伝えることで、美容師のやりがいを若者たちの心に訴えられると考えた。
愛知、岐阜、三重県の美容室経営者らにインタビューし、3~5分ほどに編集。毎週水、日曜日の午後8時に動画を公開する。これまでに取材をした美容室は150以上。今後は東海地方だけでなく、全国の若者に美容師の魅力を伝えたいと、関東地方の美容室も取り上げる。
「つらいことや苦しいことも話してもらうよう心掛けている」と、取材と編集を担当する斉藤元樹さん(31)。「休みも休憩もなく、辞めたかった」。ある新人の美容師は、就職直後に悩んでいたことを包み隠さず打ち明けた。仲間に相談しながら仕事を続け、自分も客も幸せになれる仕事だと感じられるようになったという。
高校で進路指導をする教師にも参考にしてもらえるように、美容専門学校にも取材した。結婚や出産で美容師を辞める女性が多いことから、産休や育休、パートタイマー制など、女性が働きやすい環境づくりに取り組む美容室も紹介。斉藤さんは「夢や希望を語る美容師の声を聞き、魅力を知ってもらえたら」と期待する。
理容師美容師試験研修センター(東京)によると、休みや給料が少ないなど、労働条件の厳しさなどから、美容専門学校に入学する学生が減少。美容師になっても3年ほどは残業でカットの練習をするなど、下積みが長いことも若者を遠ざけている理由という。新しく美容師免許を取った人は、2005年の2万9452人をピークに減り、昨年は1万7623人にとどまった。
こうした中、一般の高校生を対象に、ヘアメークをするイベントを開くなど、美容師の楽しさを広める活動を展開するのが、NPO法人「Rising」(名古屋市)だ。
08年から年に1回、女子高校生の髪のカットやメークを公開するイベントを開催。イベント参加者の目の前で変身していく高校生の姿を見てもらうことで、美容師に興味を持ってもらおうと、続けている。
同法人理事長の神戸達也さん(42)は「美容師の輝く姿を若い人に見てもらい、美容師に憧れる人を増やしたい」と話している。
◆記者の目
美容師になりたい人が減っているというのは驚きだった。ちょうど高校生のころ、有名美容師がテレビや雑誌で取り上げられ、美容師になった友人も多かったからだ。
インタビュー動画では、美容師が生き生きと自分の仕事を語っている。美容師たちの声が多くの若者に届いてほしいと思った。 (蓮野亜耶)
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