中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【三重】キラリくまのびと/安全守る重責を痛感

2013/07/11

三重紀北消防組合消防本部消防長
矢野 勝義さん(59)尾鷲市中央町

 尾鷲市と紀北町を管轄する消防本部のトップに就任して3カ月を経た。「地域の安全を守る責務の重要さを痛感している」と語る。消防勤務39年2カ月の大ベテラン。現場部門を中心に歩んだ。

 消防への就職は「体を使う仕事に就きたかった。消防OBの勧めもあったのがきっかけ」という。

 長年の勤務で最も印象に残っているのは1995年の阪神大震災。応援要請で編成した5人と消防車で神戸市入りした。「被災地はがれきの山で、想像を絶する光景だった」

 「がれきの中から声が聞こえた」との情報があり、現場へ。8歳の女児を救助、活躍した。だが表情は緩まない。「父親は亡くなっていました。子どもを守るような姿勢でした」。そんな被災地での体験を胸に刻む。

 甚大な被害が想定される南海トラフ地震。「対応計画による訓練を重ね検証、改善していく。職員には常に災害をシミュレーションするよう求めている」と不測の事態に備える。

 「消防は体力が大切」とウオーキングを心掛けている。尾鷲市出身。 (野呂真聡)