2013/06/08
29日から
鈴鹿市岡田の美容室「VIVACE!(ビバーチェ)岡田店」で店長を務める山下智香(ともか)さん(28)=菰野町潤田=が今月末、カンボジアで現地の若者にカットの技術を教える活動に出向く。貧困に苦しむ若者たちへの就業支援で、「美容師は人を明るい気持ちにできる仕事。そんな素晴らしさを伝えたい」と張り切っている。
化粧品製造販売のヘンケルジャパン(東京)が5年前から続けている職業訓練事業「未来をつなぐ夢はさみ」に参加する。6月29日から7月7日の日程で、首都プノンペンから北西に300キロ離れたバッタンバン市にある、東京のNPO法人「国境なき子どもたち」が作った自立支援施設で活動する。
対象は、人身売買されたり極めて貧困な家庭に育ったりした美容師を志す10代後半の若者たち。ワンレングスやボブ、レイヤーなどの基礎的なカットの技術を伝える。
山下さんは専門学校を卒業し、美容師になって8年目。「以前は、欧米に渡って先端の技術に触れたいという思いが強く、途上国での活動に関心はなかった」。昨年2月、店長を任された。美容師は客と1対1で向き合う仕事。「『山下さんにお願いしたい』と信頼されるには、技術だけでなく、人間として成長しなければ」と思うようになった。
海外で医療のボランティアにいそしむ友人にも触発されていたところ、インターネットでヘンケルの支援活動を締め切り3日前に発見。急いで応募し、一員に選ばれた。
「持っている技術を役立てられると思うと楽しみで仕方がない」と山下さん。現地は電気が通っておらず、水道もない。「人身売買があったり地雷など戦争の爪痕が残っていたり。日本では全く想像できない状況に触れれば、得られるものは大きいはず」と話している。(鈴木智重)
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