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【三重】光機械製作所など宣言 若者応援企業労務管理に自信

2013/05/25

 従業員を使い捨てにする「ブラック企業」とは違い、若手社員を大切にしています-。そんな社風を持ちながらも、人材難にあえぐ中小企業を手助けするため、三重労働局が「若者応援企業宣言」への参加を呼び掛けている。一定の基準を満たした企業が宣言すると、若い人が働きやすい会社として労働局などが企業PRに協力していく。

 今月成立した2013年度政府予算に盛り込まれた厚生労働省の新規事業。若者の就職環境が厳しい上、過大な仕事や残業を強いる企業が問題になる中、規模が小さくても、労務管理に優れた地元企業へ目を向けてもらう試みだ。

 参加したい企業は社内教育制度や残業時間の実績、過去3年分の採用者の定着状況などを明らかにした上で宣言書に署名。各都道府県の労働局は、宣言した企業を労働局のホームページで紹介したり、ハローワークで従来より詳細な企業情報を載せた求人票を公表したりする。

 24日までに県内で宣言したのは、光機械製作所(津市)、カワキタエクスプレス(亀山市)、万協製薬(多気町)、スエヒロEPM(四日市市)、熊野精工(熊野市)、オートセンターモリ(伊賀市)の6社。最初に宣言した光機械製作所は、従業員百人ほどの研削工作機メーカー。会社の一体感を高めるため、補充人員を中途採用に頼っていた人事計画を改め、数年前から新卒者を定期的に採用。1カ月かけて全部署で経験を積む新人研修プログラムをつくり、高い定着率を実現している。

 西岡慶子社長は「企業間の競争が厳しく、高い意識を持った人材をいかに確保するかが課題。宣言を通じて、社の雰囲気に呼応する人を呼び込みたい」と期待を寄せる。

 三重労働局の担当者は「若者の大企業指向は根強く、人材を求める中小企業とのミスマッチの傾向は、県内でもみられる。若者の採用に積極的な中小企業の情報に触れてもらい、選択肢を広げてほしい」と話している。 (加藤弘二)

光機械製作所では先輩の若手社員(左)が、新入社員らにアドバイスするなど、独自の研修プログラムを取り入れている=津市一身田中野で
光機械製作所では先輩の若手社員(左)が、新入社員らにアドバイスするなど、独自の研修プログラムを取り入れている=津市一身田中野で