2013/05/24
一宮・木曽川消防署 新入職員
中原さん訓練励む
小学生のころから憧れてきた消防の世界に飛び込んだ18歳の女性がいる。一宮市木曽川消防署の新入職員、中原理絵さん。市消防本部では初めての高卒の女性職員。「人を助けられるようになりたい」。日々、消防士の技術を磨いている。 (三輪喜人)
一宮市小信中島出身の中原さん。小学3年生の時、社会科見学で市内の尾西消防署を訪れたことがきっかけになった。
素早く救助訓練をこなし、誇りを持って仕事に取り組む隊員たち。「かっこいい。世の中にはこんな仕事があるんだ」と衝撃を受けた。将来の夢が決まった。
しかし中学生になり、将来を現実的に考え始めると「自分に適性があるのか。現場で足をひっぱるならやめたほうがいいのでは」と悩み、諦めかけた。
一宮西高校に進学し、大学を選んでいる時に、数年後の自分を想像した。キャンパスを歩く姿と消防士として働く姿。どちらが幸せなのだろう。「消防士になるための試験を一度も受けないのは悔いが残る。後悔はしたくない」。考え直した。
教師たちは大学進学後の就職を勧めたが、「10代のほうが体が動くし、少しでも早く入って技術を高めたい」と押し切った。家族も友人も応援してくれた。
昨年秋に筆記や体力の試験を受け、合格した。女性は消防本部の新入職員8人の中で1人だけで、3人目。全国の消防機関でも職員に女性が占める割合は2・4%と少ない。
女性は男性と比べると体力の面などで違い、中原さんも訓練中に筋力の差を感じることがある。「力が必要な場面で、他の人よりも時間がかかると落ち込む」と打ち明ける。
今はホースの延長など消防技術の訓練を重ねる。仕事も、社会人としても、まだまだ覚えることばかり。休日も筋トレで体を鍛え「まずは一人前になりたい」。
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