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【暮らし】色で差がつく クールビズ

2013/05/20

 クールビズの季節がやってきた。9年目となる今年は、機能性の追求だけでなく、自分なりに変化を加えて楽しみたいと考えるビジネスマンが増えているようだ。そこで初心者でもお勧めなのが「プレッピースタイル」。普段の着こなしに色を加えて、印象アップを狙いたい。(福沢英里)

 名古屋市内の男性会社員(33)は「ジャケットは紺か黒でシャツは白と、選ぶものがいつも同じ」と悩みを打ち明ける。他の男性からも「どう変化をつけていいか分からない」「職場では周囲の目も気になる。個性を出すのは難しい」などの声が聞かれた。

 「いつものクールビズに、色を取り入れるだけでぐっと差が出ます」と提案するのは、ジェイアール名古屋高島屋の紳士服ファッションコーディネーター、広島亮介さん(27)。「明るい色がトレンド。カラーパンツやカラーソックス、チェックのシャツが充実しています」



 今年は特に、色を上手に取り入れられるプレッピースタイルに注目が集まっている。プレッピーとは1960~70年代に米国で流行したアイビールックを、おしゃれに着崩したスタイルのこと。

 例えば、ビジネスマンなら誰もが一つは持っている紺色のジャケットにベージュのチノパン、ボタンダウンの白いシャツといった基本のアイテム。これだけでは代わり映えしないが、ネクタイやソックスにグリーンやオレンジといった明るい色を使う。いきなり明るい色を着るのは抵抗があるという人も挑戦しやすい。

 慣れてきたらシャツに色を入れる。初心者はブルー系から。女性受けがいいのはピンクだ。チェック柄や太めのストライプ柄がおしゃれに見える。「カジュアルフライデー」の日があるなど、くだけた装いが許される職場なら、レモンイエローやサックスブルーといった淡い色のカラーパンツも選択肢の一つ。

◆着崩しはアイテム選びから

 クールビズというと、これまでのスーツスタイルからジャケットを脱いだだけ、ネクタイを外しただけ、という人も多いのではないだろうか。

 ビジネスマンのファッション事情に詳しいパーソナルスタイリストの久野梨沙さんは「国内に流通する大半のスーツが、ジャケットを脱いで着るという着崩すスタイルを想定していない」と指摘する。「単品で美しく見えるパンツをはく、後ろ姿も意識して、ジャストサイズのシャツを着る」など、クールビズに適したアイテムを選ぶことで見た目の印象も変わるという。

 東京・有楽町の阪急メンズ東京で開かれたクールビズのイベント。プレッピースタイルを提案するブランド「トミー ヒルフィガー」のアイテムを使って二人の男性会社員が変身を試みた。

 スタイリングを担当したスタイリストの村上忠正さんは、「ジャケットの丈は、お尻が見えるぐらいだとバランスが取りやすい」と解説。ネクタイをするなら軽快で、通気性もよいニットタイがきちんと見えて、クールビズに向く。

 職場のドレスコードが比較的自由なら、ポロシャツもお勧め。明るいグリーンは癒やしの効果もあり、「相談しやすそう」な印象を与える。村上さんは「麻や綿などの素材と明るい色を選び、クールビズを楽しんで」と話した。

【クールビズ】 職場の冷房を28度に設定しても快適に過ごせる服装のこと。地球温暖化対策の一環として2005年に環境省が提唱した。その後、記録的猛暑や震災による節電呼び掛けなどで導入企業が増加。短パン、サンダルOKの佐賀県武雄市や、社員のファッションショーを開いたNTTデータなどが話題に。今年は5月から10月末までと期間が延長された。