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【岐阜】〝真の接客〟料亭で学ぶ 大垣の「助六」で悪戦苦闘

2013/05/15

千葉・市原出身高沢さん就業体験中
「脱マニュアル」目指す

 大垣市高砂町の料亭「助六」で、東洋大3年高沢悟実さん(21)=千葉県市原市出身=が、大学を休学して1年間のインターンシップ(就業体験)に励んでいる。高沢さんは「修業を積んで、料亭ならではの臨機応変な対応を身に付けたい」と目を輝かせる。 (高嶋幸司)

 大学2年の夏休みにも1度、関市のNPO法人でインターンを経験したことで岐阜と縁ができ、おかみの中村智景(ちかげ)さんと出会った。学生の間では企業での短期インターンが主流で、東京を1年間離れることに不安もあったが、「普通の企業よりおもしろそう」と決断した。

 昼は「大垣婚フェア」「母の日プラン」など助六の数々の企画を形にする仕事を任されており、夜は仲居の一員として着物姿で接客をこなす。3月4日のインターン初日から客前に出た。

 酒をつぐタイミングや料理の好き嫌い、客とのコミュニケーションなど、料亭のサービスは客によって一様ではなく、悪戦苦闘の日々だ。東京都内のファストフード店で2年間のアルバイト経験があり接客には自信があったが、「今思えば、バイトはマニュアルに従って行動していただけだった」。接客は、相手が何を求めているかを察して行動することだと実感したという。

 着物を1人で着られるようになったり、客との会話が弾むようになったり、少しずつ成長も感じている。「マニュアル通り、言われたことをするのは得意だったが、この1年間で変わりたい。インターンだけで終わらせるのではなく、しっかり自分の経験にしたい」と意気込む。

大学を休学し1年間のインターンシップに取り組む高沢さん=大垣市高砂町の「助六」で
大学を休学し1年間のインターンシップに取り組む高沢さん=大垣市高砂町の「助六」で