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【経済】大卒求人厳しさ続く 倍率1.28倍 製造業の採用減

2013/04/24

 リクルートワークス研究所が23日発表した2014年卒業予定の大学生・大学院生の求人動向調査によると、求職者1人当たりの求人数を示す民間企業の求人倍率は前年比0・01ポイント上昇の1・28倍で、小幅ながら2年連続で改善した。

 流通や金融、建設で求人が増えたが、製造業は業績不振企業を中心に採用を絞り込み、5・5%減った。企業の求人総数は1・9%減の54万3500人。公務員志望者の増加を受け民間企業への就職希望者が2・0%減の42万5700人と、求人数より減少幅がやや大きかったため、求人倍率は小幅上昇した。

 株高や円安などで景気の先行きに明るさが広がっているが、就職環境の改善はあまり進んでいない。同研究所の戸田淳仁研究員は「バブル期には景気が良くなると求人倍率が上昇したが、年齢構成をゆがめる弊害を避けるため、企業は景気に影響されずに一定数を採用する意識に変わっている」と分析している。

 製造業のうち、化学・鉄鋼・素材の求人が13・8%減と大きく減少し、電気・電子・半導体・機械も8・5%減少。一方、自動車・鉄道は1・9%増えた。

 企業を対象とした調査は今年2月中旬から3月上旬に実施。約4500社の回答を基に全体状況を推計した。学生の調査は2月上旬に行った。