政府は５日、経済財政諮問会議を開き、デフレからの脱却に向け雇用や所得の増加につなげるための仕組みづくりを議論した。安倍晋三首相は「業績が改善している企業には、賃金の引き上げを通じて所得の増加につながるよう協力をお願いしていく」と述べ、賃上げに向けた取り組みを検討するよう産業界に要請する考えを示した。

　これに対し民間議員からは「子会社の創立記念などの機会に、一時金（ボーナス）を上乗せする形なら柔軟に対応できるのでは」といった意見が出た。

　また、甘利明経済再生担当相は経済財政運営の「骨太の方針」を今年半ばにまとめる目標に向け、女性や若者の雇用拡大策などを検討課題に掲げた。

　必要性が強く指摘されている財政健全化については、達成への道筋を示す計画づくりを骨太の方針の後に取り組む検討課題として位置付けた。実質的に七月の参院選後に計画を先送りする方針を打ち出したことになる。