2013/02/06
小牧・地球子ども村
イタリア料理向け 今春生産挑む
小牧市の一般財団法人「地球子ども村」が今春から、同市林の休耕地で障害者と野菜作りを始める。障害者の社会的、経済的自立を促す狙い。イタリアの名門サッカークラブACミランのスクールを市内で運営している利点を生かし、イタリア料理などに使われる商品価値の高い野菜の生産を目指す。 (平井剛)
心身障害者施設の看護職員だった代表理事の松浦恵子さん(35)が「障害者に就労の場を与えたい」と、2011年4月に障害者就労継続支援(A型)の事業所を法人内に開設。障害者の仕事は清掃業の受託が中心だったが、農業分野に参入できる道があると知り、昨年10月に農業法人の認可を受けた。
従事するのは事業所と雇用契約を結ぶ20、30代の男女約10人で、知的障害や精神障害がある。知人を通じて借りた1000平方メートルの休耕地を活用。「まるで雑木林のような荒れ地だった」(松浦さん)が、昨秋から伐採などを徐々に進めた結果、これまでに4分の3を農地に復元した。
春からズッキーニやパプリカ、ミラノ大根などを育てる。食品スーパーにあまり出回らない西洋野菜に特化することで、他との差別化を図る方針。松浦さんは「どんな野菜が土地に合うか、いろいろ試したい」と話す。生産が軌道に乗ればサッカースクールの運営で培った人脈などを生かし、名古屋のイタリアンレストランに食材を供給する計画だ。
障害者は農業未経験者ばかり。それでも普段は施設にこもることが多いだけに、松浦さんは「畑に来ると、みんな表情が生き生きと明るくなる」と今後に期待している。
参加している同市下小針中島の石田忠也さん(39)は「くわがうまく使えるようになって自信がついてきた。これからどんな野菜が育つか楽しみ」と目を輝かせた。
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