2013/02/03
「SR」提唱
「起業支援ネット」創設者 関戸さん
名古屋を拠点に、コミュニティービジネスの起業支援に長く携わってきた関戸美恵子さん(65)が、新たな啓発事業を推し進めている。テーマは「SR(社会的責任)」。一般社団法人「SR連携プラットフォーム」の代表理事として、企業などが、社会の一員としての責任を自覚した世の中をつくろうと提唱する。
関戸さんは、コミュニティービジネスの分野では草分け的存在。1998年に「起業支援ネット」を設立し、地域の課題解決を図る起業者らを幅広く支援。2008年度からは中部経済産業局の委託を受けて、「東海・北陸コミュニティビジネス推進協議会」の運営に中心で関わった。
その受託事業がひと区切りし、活動を発展継承する形で11年6月、SR連携プラットフォームを設立した。コミュニティービジネスの起業者らが志す使命感や責任感は本来、もっと広く共有されるべきものだ。「すべての企業や組織が、社会に対する応分の責任を自覚し、事業性と社会性の統合にチャレンジしていかなくてはならない時代」と関戸さんは説く。
現在、力を入れている一つが、社会的責任に関する国際標準規格「ISO26000」の普及啓発。企業を含むさまざまな組織が「人権」「環境」「消費者課題」といった各領域で社会的責任を果たしていくための手引とされる。この規格を学ぶ基礎セミナーを昨年から名古屋市内で順次開催し、今月5日から第3期(2回)を開講する。
「50年先、100年先を見据えて、企業、行政、NPO、市民など多様な主体者がSR社会づくりに連携する。そのつなぎ役を果たしていきたい」と関戸さん。今後、人口五万人程度の自治体と協力して、SRモデル都市を築いていくことも構想中だ。
セミナーの申し込みは「SR連携プラットフォーム」のホームページから。 (上田寿行)
【SR】 「ソーシャル・レスポンシビリティー」の略。持続可能な社会を実現するために、企業に限らずあらゆる組織、あるいは個人も、当事者意識を持って自らの社会への影響を考え、責任ある振る舞いをしていこうという行動理念を表す。企業の社会的責任を意味する「CSR」から、一歩進んだ概念ともいわれている。
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