2012/01/09
教壇を離れ、婚活の道先案内人になった女性がいる。青木美紗さん(30)は2年前に中学校の英語教師を辞め、名古屋市中区大須に、男女の出会いをプロデュースする事務所「マリッジ・ラボ」を開いた。婚活と街おこしを兼ねた、最近人気の「街コン」イベントも企画。「恋愛の仕方は学校では教えられないし、経験していくしかない。その過程をサポートしていきたい」と意気込む。
事務所を開設して1年余りがたつが、常勤のスタッフは青木さん1人。飲食店に飛び込み営業を掛けるなど、積極的に人脈を広げる。街コンとは、地域の飲食店数店を貸し切るなどして、多いときには男女数100人単位で開催する大規模なコンパ。気軽に参加できる出会いの場として、全国各地で催されている。
◆堀川、高畑、篠島
青木さんは、名古屋市の堀川沿いで昨年3月、男女各100人で開いた「堀コン」を皮切りに、中川区高畑を舞台にした「高畑コン」を開催。人づてに知り合った南知多町の篠島観光協会に頼まれ、7月には「篠島コン」も企画した。篠島観光協会の岡田裕満会長(52)は「何度も下見して、一生懸命やってくれた。島には出会いが少ないので、また開催してほしい」と喜ぶ。
大学では心理学を学んだ青木さん。当時からイベントを主催し、人と人を結びつけるのが好きだった。
◆観察眼を磨く
一昨年春までは、中川区の公立中学で英語教師を4年間勤めた。教室では「誰と誰が仲良くなれば、クラスがうまく回るか」で観察眼を磨いたという。教職の傍ら、趣味でイベント企画を続けてきたが、この道で生きていこうと決めた。
安定した職を捨てることに、周囲は反対した。だが辞めた直後、東日本大震災が発生し、被災地でがれき撤去などのボランティアを経験。縁や絆の尊さを実感し、決断に自信が持てた。
最近は男女とも「結婚したいけど、自分の理想のタイプが分からない」と話す人がいるという。青木さんは自分が婚活に成功した経験を踏まえ「なぜ結婚したいのか、これからどんな人生を送りたいか。まず、自分と向き合うことが必要」と説く。最近は料理教室やランニングをともにするユニークなコンパも開く。詳細はマリッジ・ラボのホームページへ。
(栗田晃)
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから