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【経済】中小2万社の情報強み 内定まだの大学生 ハローワーク来て

2012/01/05

認知度高まり実績7割増

 厚生労働省は、今春卒業予定で就職内定をまだ得ていない大学生に対し、ハローワークに相談に来るよう呼び掛けている。ハローワークで紹介や相談などを受けて内定にこぎ着けた学生の数は2012年4~11月実績で約1万7800人と、前年同期比で七割の急増ぶりだ。大学からの紹介や口コミで認知度が高まり、全国の中小企業約2万社の求人情報が集まるのが最大の強みとなっている。

 就職を希望する学生の強い味方が「新卒応援ハローワーク」だ。10年秋に全都道府県に設置され、現在は全国に計57カ所ある。学生ごとに担当の相談員を決め、就職応募書類の書き方や面接の指導を行うのが特徴。内定獲得には平均3カ月かかるが、「内定を得ることができず、落ち込んだ学生も多い」(厚労省若年者雇用対策室)ため、最初は悩みを聞くことに重点を置くという。

 例年、年明けは就職活動を熱心に行ってこなかった学生の訪問が相次ぐ。11年度はハローワークに相談に来た学生約3万人が内定を得たが、その半数以上が1~3月に集中した。

 厚労省によると、今春卒業予定の学生の内定率は12年10月1日時点で63・1%。11年の同時期を3・2ポイント上回ったが、約16万人が内定を得ていない計算だ。大半の大企業は既に募集を終えているため、中小企業の動向が今後の内定率を左右する。

 東京新卒応援ハローワークは「景気が悪いと言っても、採用に意欲を持つ優良な中小企業はたくさんある。困っている学生は相談に来てほしい」と話している。