中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【愛知】斬新学生の起業プラン 愛知学院大で発表会

2012/12/18

終末期医療心のケアを
津波被害の土でれんが
 

 日進市の愛知学院大で、学生が授業で学んだ成果としてビジネスプランを発表する「バーチャルカンパニー大起業市場」があり、経営学部の六チームと心身科学部の1人が、それぞれ斬新なアイデアを披露した。大学の授業を知ろうという高校生らが見学した。

 臨床心理士の勉強をしている心身科学部の女子学生は「心と病の研究所」を提案した。女子学生は看護師として働く社会人学生で、認知症や末期がん患者の行動から「心のケアが十分できていない」と感じていた。

 提案によると、医療現場は治療中心で、心のケアが回避されてきた。終末期患者は看護師を何度も呼び、看護師の心の疲労につながるケースもある。「死に向かう人へのケアが社会的にも求められている」と考え、心理的なサポートをしていく仕組みをビジネスとして起業することを打ち出した。審査した起業コンサルタントら8人から、最高の評価を得た。

 一方、東日本大震災からの復興に協力しているグループは、瀬戸市のれんがメーカーとともに取り組んでいる事業を発表。津波被害で作物が育たなくなった宮城県女川町で田畑の土壌を採取し、強度の強い「塩れんが」を製造する計画で、現地の雇用拡大につながると期待されている。

 他に地元特産の米粉と、三重県南部特産のかんきつ類を使ったロールケーキの開発などが発表された。

 経済団体職員の加藤滋樹さんは講評で「理念を大切に、現場を歩き、実際に汗をかいてニーズをつかみ、ぜひ実現して」と話した。プランの一部は来年以降、起業を検討するという。 (阿部雅之)

:「塩れんが」の製造計画などを説明する学生(左)ら=日進市の愛知学院大で
:「塩れんが」の製造計画などを説明する学生(左)ら=日進市の愛知学院大で