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【社会】介護に「段位」離職率の改善へ 職員の技術評価

2012/12/06

 内閣府は、現場で働く介護職員の技術や知識の水準を7段階で評価する「キャリア段位制度」を来年1月にも本格的に始める。実践能力の客観的指標となる「段位」の認定を導入することで、仕事のやりがいや職場定着率の改善につなげるとともに、熟練度の高い人材育成を図る狙い。

 同制度は今年6月に内閣府が実施した府省庁版事業仕分けで「廃止」と判定されたが、予算額を縮減した上で岩手、宮城、福島の被災3県で先行実施することにした。徐々に実施地域を広げ、2020年度までに13万人を認定する目標だ。

 段位は基本的な知識や技術を身に付けたレベル1から、技量や指導力に応じて上がり、最上位のレベル7まで設定。あらかじめ講習を受けた介護事業所内の評価者が、段位取得を希望する職員の技術を日常の仕事の中でチェックし、第3者機関による外部評価も加える。介護福祉士の国家試験合格や同養成課程修了などの経験も考慮する。

 厚生労働省の外郭団体、シルバーサービス振興会が年明けにも評価者の養成講習を開催。その後、数カ月かけて取得希望者への評価を行う。来年中にも段位取得者が誕生しそうだ。

 介護職員の離職率は11年度で約16%と全産業の平均より高く、職員の待遇改善や業務に対する社会的評価の向上などが課題となっている。