2012/11/19
夢んぼ(愛西市)
障害のある子どものデイサービスや成人の就労支援を中心に、幅広い事業を扱う。小学生から60代まで、年代に合わせた支援を継続できるのが強みだ。
就労訓練をする「地域生活支援センター」の一室では、利用者の男性たちが自動車部品の1ミリ以下の傷を黙々と探す。実際の製品を扱う受注業務でもあり、作業にはノルマが課され、ミスの数は張り出される。
「職場で働く力を付けるのが目的。訓練だからと優しくし過ぎては良くない」と担当者。利用者の特性に合わせて難易度を徐々に上げ、毎年15人ほどの就職に結び付けている。
団体は2002年、障害児を放課後や夏休みなどの長期休暇に預かる場所を求めた保護者6人が自分たちでつくった。設立メンバーの1人で事務局長の加藤美恵さんは「子どもが心配で、家にこもりがちになる家庭が多かった」と振り返る。
デイサービスでは食事や洋服の脱ぎ着といった生活習慣を教え、動物園に出掛けることも。子どもが包丁を持って料理したり、電車に乗ったりできることに親が驚くことも多いという。
ニーズに応えるうちに対象が広がり、現在の事業所は愛西市内を中心に計10カ所ある。知的、精神、発達障害などの300人が利用するほか、一般の児童館や高齢者の通所介護施設も運営している。
加藤さんは「10年前より希望者は増えている。障害のある人が地域に理解され、支援を受けて自立できる環境づくりを目指す」と話す。 (荒井隆宏)
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