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【経済】普段の仕事生かして金 障害者技能大会

2012/11/14

中電ウイング 都築さん

 長野市で10月下旬に開かれた全国障害者技能競技大会(アビリンピック)で、中部電力子会社の中電ウイング(名古屋市)印刷課の都築弘さん(32)=愛知県常滑市=が金賞に輝いた。生まれつき両腕がなく、会社では足でパソコンを操作してチラシや冊子などのデザインを手掛ける。「普段の仕事に近い競技で金賞を取れたことは大きい」と自信を深めている。

 大会は23種目に各都道府県の代表計300人が出場。都築さんは、用意された写真やキャッチコピーを使い、パソコンで和紙人形展のPRチラシを作成する競技で、15人と競った。人形の写真を大きく割り付けたデザインが評価された。

 中電ウイングは、身体・知的障害者の雇用促進を目的に2003年に開業。印刷や園芸事業を手掛け、約70人の従業員のうち障害者が約50人。都築さんはデザイナーを志し1期生として入社。顧客の要望を聞きゼロからデザインを考えるのが得意という。「自分が前例を作り、同じ障害のある人たちが後から続く道筋を切り開けたら」と意気込む。

 同社は中電グループからの受注が全体の9割を超えるが、三沢弘一専務は「障害者でもビジネスとして結果が求められる中、受注先の拡大にもつながれば」と期待する。

メダルを胸に大会を振り返る都築弘さん=名古屋市南区の中電ウイングで
メダルを胸に大会を振り返る都築弘さん=名古屋市南区の中電ウイングで