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【三重】尾鷲でインターン生 活動報告 成果挙げる過程学んだ

2012/11/06

Iターン就職者地域の魅力語る

 大学生を対象に尾鷲商工会議所が本年度から始めた長期就業体験(インターンシップ)事業の報告会が2日、尾鷲市向井の熊野古道センターであった。夏休みに体験した大学生や受け入れ企業の代表者のほか、昨年までに東紀州地域の企業で体験し、Iターン、Uターン就職した社会人などが講演した。 (宮崎正嗣)

 同商議所は本年度から、東紀州地域の企業で1カ月以上の就業体験を希望する大学生と地元企業とを仲介する事業を、全国の商議所で初めて実施。地元企業の人材確保だけでなく、新規事業や商品開発など、若者の視点を通した企業活動の活性化を見込んでいる。8~9月にかけ、尾鷲市と紀北町の3事業所で5人が体験した。

 報告会では最初に同商議所で就業体験し、尾鷲市中心部の古い町並みの活用方法を提案する「マチナカ活性化プロジェクト」の作成に取り組んだ三重大3年の羽田知弘さん(23)が講演。羽田さんは結果的に2カ月間で何も進められなかった点を挙げつつ、「本当の成果を挙げるためにどのような過程を踏むべきなのか、企画立案の点で学んだことが多かった」と振り返った。

 続いて受け入れた紀北町紀伊長島区の宿泊施設「季の座」の北田真規副支配人と、尾鷲市向井の温浴施設「夢古道の湯」の坂本康之店長がパネルディスカッション。就業体験の前後で学生がどう変化したかや、学生から経営面で学んだ点を話した。

 最後に昨年までに東紀州地域の企業で就業体験し、実際に地元で就職したり、就職予定である4人が、自身の経験や現在の仕事について講演。大学在学中に紀宝町のミカン農家で体験し、卒業後は熊野市紀和町の紀和町ふるさと公社に就職した松尾早希子さん(25)は「地域を元気にしたいという思いから悩んだ末、東紀州地域でIターン就職した。この地域にはいろんな資源が詰まっている」と話し、Iターン就職の魅力を語った。

就業体験で学んだことを講演する羽田さん=尾鷲市向井の熊野古道センターで
就業体験で学んだことを講演する羽田さん=尾鷲市向井の熊野古道センターで