2012/10/27
来年度から自治体に相談員常駐
厚生労働省は26日、生活保護受給前の申請者や相談者に、2013年度から本格的な就労支援を実施する方針を固めた。申請が多い自治体の福祉事務所に求人事情に詳しい専門相談員を常駐させ、働く場の提供に乗り出す。
就労支援はこれまで保護受給者に実施していたが対象を拡大し、増えている若者の受給の抑制を目指す。生活困窮者の自立支援策を柱とする「生活支援戦略」の一環で、来年度予算の概算要求に関連経費100億円を盛り込んだ。
生活保護受給者には現在、自治体職員がハローワークに同行して職探しを後押ししたり、履歴書の書き方を助言したりする支援事業があり、これを受給前の人にも行う。
また全国に約1250カ所ある福祉事務所のうち、生活保護の受給申請数が多い約百カ所にハローワークから専門相談員「就職支援ナビゲーター」を派遣。常設窓口を設け、就職相談や職業紹介を行う。相談員が常駐しない自治体は、週2回をめどにナビゲーターが巡回して対応する。
仕事に就いた後の支援も強化。ナビゲーターに仕事をする上での課題や悩みなどを相談し、アドバイスを受けられるようにする。
生活保護の受給者数は1996年度以降、増え続け、12年7月時点で212万4千669人。生活保護費も12年度当初予算ベースで3兆7千億円と、いずれも過去最多を更新した。厚労省は受給者や申請者らへの就労支援で、最大で数100億円規模の保護費削減につなげたい考えだ。
【生活支援戦略】
生活保護制度の見直しと生活困窮者の自立支援策が柱で、政府が年内の策定を目指している。働く能力があるにもかかわらず、仕事がないために生活保護を受給せざるを得ない現役世代が増えているため、就労支援を前面に打ち出した。受給者が働いて得た収入の一部に相当する金額を積み立て、自立後の生活費などに充てる「就労収入積み立て制度」の創設や、積極的に就職活動をしている人に保護費を加算する案などを検討している。
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