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【福井】敦賀海保に初の女性保安官

2012/10/17

 敦賀海上保安部(敦賀市港町)に今月、初めての女性海上保安官2人が赴任した。巡視艇すいせん(25トン)航海士補の米森エリカさん(23)と巡視船えちぜん(350トン)機関士補の天尾友香さん(21)。2人に海上保安官を志した理由と今後の抱負を語ってもらった。

◆天尾さん、猛特訓で遠泳成し遂げ
 天尾さんは、新潟県新発田市出身。幼いころに始めた剣道は二段の腕前。公安関係の仕事を希望し、高校生の時に映画で海上保安官の存在を知った。二十五メートルを泳ぐのがやっとだったが、海上保安学校で特訓し、この夏には五・五キロの遠泳を成し遂げた。九月に学校を卒業したばかりで、今は船のエンジンや発電機などの取り扱いや遠隔操作を先輩に付いて学んでいる。「機関の起動、停止を早く一人でできるようになりたい」との目標を語る。

◆米森さん、密漁事案の捜査に意欲
 米森さんは、鹿児島県姶良(あいら)市出身。高校生の時の社会見学で、制服で働く海上保安官の姿に「格好いい」と憧れた。海上保安官になって二年目で、鳥取県の境海上保安部から赴任し、かじ取りを学んだ大型船から巡視艇に移った。今も船酔いはするが、航海士の補佐をするため、航海中にレーダーや双眼鏡で見張りをし出入港時にロープをさばく。「敦賀は密漁事案が多いと聞くので、事件の捜査をできるようになりたい」と意欲を燃やしている。

    ◇

 海上保安庁の職員1万2671人のうち女性職員は5%弱の606人(4月1日現在)。県全域を管轄する敦賀海上保安部では職員102人のうち女性は米森さんと天尾さんの2人。同保安部は、受け入れのために昨年から準備し更衣室を設置した。秋好晋同保安部長は「女性は『頑張れ』と言わなくても頑張ってくれる。早く自分のペースをつかんでしっかり業務をしてほしい」とエールを送る。

(増井のぞみ)

敦賀海上保安部で初の女性保安官の米森エリカさん(左)と天尾友香さん=敦賀市の敦賀港に停泊する巡視船「えちぜん」で
敦賀海上保安部で初の女性保安官の米森エリカさん(左)と天尾友香さん=敦賀市の敦賀港に停泊する巡視船「えちぜん」で