2012/10/13
カフェ感覚で異業種交流
電源や高速無線LANを完備し、異なる業種の人たちが仕事場として活用できるコワーキング(共働)スペースが、名古屋市の中心部で急増している。店内での交流を通じて事業パートナーを見つけられるのが特徴で、ビジネスチャンスを生む空間として期待が広がっている。(平井良信)
中村区名駅に7月オープンした「フルーブカフェ」。開放感のある店内にはソファやテーブルの自由席が40席、壁で仕切られた席が12席ある。それぞれ近くに電源があり、個人事業者やサラリーマンがパソコン1台で仕事に励む。
利用者のウェブデザイナー掛布裕太さん(27)=愛知県一宮市=は、病院で英語を教える名古屋市のNPO法人「ICET」代表の野村誉子さん(46)と店で知り合った。野村さんが会のチラシを作れる人を探していたところ、カフェが掛布さんを紹介。打ち合わせも店内ででき、完成したチラシは常設のプリンターですぐに確認した。
野村さんは「すてきなチラシを作ってもらえて本当によかった。今後はロゴや名刺もお願いしたい」と語り、掛布さんも「家で仕事していては巡り合えなかったチャンス」と喜ぶ。
フルーブカフェは月会費を払う会員になれば好きな時間に使えるほか、2時間500円で誰でも利用可能。店長の西田悦長さんは「ただ場所を貸すだけでなく、利用者同士の交流を手助けしたい」と語る。
東京で先行してできたコワーキングスペースは、昨年6月に名古屋で初の店舗「マイカフェ」(中区錦二)が開店した後、ここ1年間で伏見や栄を中心に急増し、現在10カ所以上ある。マイカフェの姉妹店「マイカフェサカエ」(中区栄三)は午後5時以降、併設のバーでアルコールを提供。シニアサロン「エトワール」(中区栄四)には、落ち着いた雰囲気の中高年向けのコワーキングルームも併設されている。
マイカフェサカエの伊藤誠之オーナーは「まだまだ出店が予想される。競争が激しくなれば、店の差別化や会員同士の交流をビジネスにつなげる工夫が求められる」と話している。
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