2012/09/26
来年にも愛知高岡工場
トヨタ自動車は、60歳定年後の再雇用を視野に、ベテラン従業員専用の生産ラインを2013年初めにも導入する。ラインの速度を通常より大幅に遅くし、熟練の技術を若い従業員に教える場にもする。8月末に成立した「改正高年齢者雇用安定法」で定年後も希望者全員を雇用することが義務づけられており、自動車メーカーとして初めての具体策として注目されそうだ。
専用ラインは「ものづくり伝承ライン」と名付け、まずはハッチバック車「オーリス」や輸出用の「カローラ」などを生産する高岡工場(愛知県豊田市)に設ける。生産現場で長年経験を積んだ55~65歳の従業員の勤務を見込んでおり、13年2月の稼働を目指す。
規模や生産車種は未定だが、現在の2本の生産ラインとは別に、第2ラインがある建屋内に新設。体力や視力の低下に加え、若手指導にも対応できるように、作業スピードを通常の10分の1程度まで落とす構想だ。
トヨタの工場では現在、60歳を超えて働き続ける人が1300人程度(技能職全体の約4%)在籍しており、高齢化の進展で今後、比率がさらに高まる見込み。国の雇用方針に対応するほか、生産現場での技術を国内に維持する観点からも、勤務体制見直しが課題となっている。
トヨタは同時に、ベテラン従業員の1日の勤務時間か、月当たり勤務日数を半分にする「ハーフタイム」制の試験導入も検討中。高齢者にフルタイム勤務以外の選択肢を増やせるかどうかを試す。
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