2012/08/28
今春、4年制大学を卒業した56万人のうち、正社員として就職したのは6割の33万5千人だったのに対し、派遣社員やアルバイトなど非正規雇用者や、就職も進学もしないなど「安定的な雇用に就いていない人」は、2割強の12万8千人に上ることが、27日公表の文部科学省学校基本調査で分かった。正社員と派遣社員を分けて集計したのは初めてで、不安定な雇用形態が続く実態が明らかになった。
調査は5月1日現在の速報値。
調査結果によると、4年制大学を卒業した学生は55万9千30人で、このうち35万7千285人が就職した。就職率は昨年より2・3ポイント増の63・9%。リーマン・ショックの影響で過去最大の下落幅となった2010年度以降、若干だが2年連続で改善の傾向が見られた。
「安定的な雇用に就いていない人」は22・9%。内訳は、雇用契約が1年以上の契約社員や派遣社員=2万1千990人(新卒者の3・9%)▽契約期間が1年未満のパートやアルバイト=1万9千596(同3・5%)▽就職や大学院などへの進学をしていない人=8万6千638人(同15・5%)-だった。
東日本大震災の被災3県にある大学の新卒の就職率は、昨年より4・2~6・8ポイント改善。岩手県65・1%、宮城県65・2%、福島県68・5%だった。
被災3県の高卒者が県外で就職した割合を見ると、福島は昨年より6・3ポイント増の29%、宮城は4・7ポイント増の23・1%となり、東京電力福島第一原発事故などの影響で、県外での就職を選ぶ傾向が見られた。岩手は横ばいだった。
一方、住民登録はあるが学校に通わず、1年以上居所が不明になっている小中学生は、今年5月現在、976人。前年より215人減り、若干の改善傾向を示した。
【学校基本調査】
全国の幼稚園、小中高校、大学、短大など国公私立のすべての学校を対象に在籍者や教職員の数、出席状況、卒業後の進路などのデータをまとめた文部科学省の調査。1948年度から毎年実施している。就職の実態を詳しくつかむため、大学卒業後の進路調査については今回から正規雇用と、契約社員などの非正規雇用を分けて調べることにした。調査で示す就職率は卒業生の中で就職した人の割合。5月に文科省と厚生労働省が発表した「就職内定率」は就職希望者に占める内定者の割合で、4月1日時点で大卒は93・6%。
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