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【社会】既卒者の就職率改善 ハローワーク通じ ほぼ半数決定

2012/07/22

今春卒業 4~6月

 就職を希望していたが採用内定を得られずに今春卒業した大学生、高校生らのうち、ほぼ半数の2万4663人が4~6月にハローワークを通じて就職が決まった。厚生労働省の集計で分かった。昨年同期は4人に1人程度にとどまっており、改善した。

 景気持ち直しの動きに伴い企業の採用意欲が高まっていることや、卒業後3年以内の既卒者の採用を新卒同様に扱うよう求めた政府の要請が経済界に浸透したことなどが要因とみられる。

 厚労省によると、2012年春に内定が得られないまま卒業した大学、短大、高校、専門学校、高専の学生は推定約4万8000人で、2万4663人は51%になる。11年春は推定約7万5000人に対し1万9815人で26%だった。

 12年の月別の内訳は、4月1万1002人、5月7764人、6月5897人。卒業から間をおかないほど就職しやすい傾向がうかがえる。

 08年のリーマン・ショックや昨年の東日本大震災で企業の多くが採用を抑制してきたため、人材不足感が高まっている。厚労省によると、11年度の採用活動で既卒者の応募を受け付けた企業の割合は54・0%と、前年度の36・9%から大幅に増加した。

 厚労省は「ハローワークが学生を支援しているとの周知が進み、在学中から相談に訪れる人が増えたことも一因」と分析している。