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【愛知】無職青年に働く力を 農作業や産直経験 活動の幅広げサポート

2012/07/07

NPO法人「安城まちの学校」

 小学生の健全育成をサポートする安城市横山町のNPO法人「安城まちの学校」が、引きこもりや発達障害などで働けない青年の自立支援にも取り組んでいる。古浜利枝子事務局長(61)は「問題を抱えた若者が、社会に出る訓練を積む学校にしたい」と目標を見据えている。 (浅井正智)

 10人の若者が安城市福釜町の畑で、大豆やローゼルの苗を植えている。声を掛け合い、役割を分担して作業をする様子からは、彼らが引きこもりなどで働くことができないなどとは、ちょっと想像できない。

 作業は週1回。収穫した作物は、第4土曜に市街地である「まちなか産直市」で販売する。客とのやりとりやお金の計算も自分でやる。「これも他人のコミュニケーションを取り、働く力をつけるため」と古浜さん。

 2004年度設立のまちの学校が当初、取り組んだのは小学生向けの体験型講座。学校5日制を受けた週末の居場所づくりで、ものづくりやスポーツなど、さまざまな講座を開き、11年度は延べ4000人余りが参加した。

 無職青年の自立支援は10年度に始まった。「元気な小学生の支援だけでは足りないのではないか」という疑問が湧いてきたのがきっかけだ。

 障害者を対象に絵画教室も月1回開講。展覧会を開いたり、作品集を編集するなど発表の場も設け、障害者にやりがいを与える。

 古浜さんは「障害や心の問題がある人も、ない人も同じ立場で暮らせる社会になるよう、行政ではできないサポートを続けていきたい」と話した。安城まちの学校=電0566(76)9900