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【三重】「就活ヘア」清潔感を 県理容組合がお手伝い 津で講習会

2012/06/12

 県内の理容店でつくる県理容生活衛生同業組合は11日、津市島崎町のサン・ワーク津で、若者の就職活動に力を貸そうと組合の全国組織が考案した髪形「就活ヘア」の初めての講習会を開いた。面接時や履歴書の写真におすすめの髪形といい、格安チェーンの増加などで苦境に立つ「町の床屋さん」にとっては若い顧客を取り戻す起爆剤として期待されている。 (南拡大朗、水谷夏奈恵)

 就活ヘアの特徴は、髪が眉毛や耳にかからず、襟足やもみあげを短くカットして自然な清潔感を前面に出しているところ。全国組織がまとめた写真付きの冊子もあるが、県の組合は県内の大手や中小の製造業、金融機関、自治体などの人事担当者を直接調査。その結果、県内では東京よりも短く、より清潔感のある髪形が好まれることが分かった。

 この日の講習会では、参加した理容師55人に対して講師の組合役員らが「上場企業はここまで切らないと」「銀行はこれでは絶対ダメ」とマネキンを使って細かく説明。具体的な企業名を挙げて「内定の取れる髪形」として伝授した。

 参加した理容師山下卓也さん(24)は「思っていたより固め過ぎない方がいいのかも。すぐに生かしたい」と意欲的。理容師歴48年の山本和雄さん(63)は「就職難だからこそ、ちゃんとした髪形にしてあげないと」と話した。

 チェーン店や美容院と競合し、理容店は全国的に劣勢にある。県内では10年前に2000あった加盟店舗が、今は1340まで減った。組合の川端清講師会長(50)は「お客の就職合格率を上げ、少しでも若い人を取り戻したい」と期待している。

「就職活動で有利な髪形」を学ぶ理容師ら=津市のサン・ワーク津で
「就職活動で有利な髪形」を学ぶ理容師ら=津市のサン・ワーク津で