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【岐阜】関の屋根工事職人・柴崎さん「かわらぶき技能士」県内、女性で初合格

2012/05/31

「男社会で働く人々の励みに」来年の1級受検に意欲

 関市上白金の屋根工事「いけど瓦や」で職人として働く柴崎麻希さん(39)が、国家資格の「かわらぶき技能士」2級に合格し、県内初の女性技能士となった。柴崎さんは「男社会で頑張っている女性たちの励みになれたら」と喜んでいる。 (松崎晃子)

 柴崎さんは9年ほど前、屋根工事業を営む夫との結婚を機に現場を手伝い始めた。受検条件となる3年以上の実務経験を終え、一通りの技能を習得したため夫の勧めで受検。1月に和形の瓦をふく実技試験、2月に瓦の種類、工法、屋根の形状などを問う学科試験に挑んだ。

 実技は図面を基に、4時間以内で支給される材料だけで縦約85センチ、横約150センチの木の台に施工する。電動工具が使えず、瓦を割ると減点されるため、台に合わせて瓦の端を手作業で切り落とす作業に苦戦。1カ月ほど練習を重ねたが、本番で初めて時間内に完成できたという。

 柴崎さんは現場で男性職人と同化しないよう、あえて髪を長く伸ばし、化粧もして働くことを心掛ける。「周囲に女性がいないとつらいことが多いけど、やればできる。いろいろな分野でもっと増えてほしい」と、来年の1級受検に意欲を見せた。

 柴崎さんは6月3日、岐阜市で開かれる県瓦葺組合と県瓦葺技能士会の総会で表彰される。

県内で初めて女性の「かわらぶき技能士」となった柴崎麻希さん=関市上白金で
県内で初めて女性の「かわらぶき技能士」となった柴崎麻希さん=関市上白金で