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【社会】育児の妻 86%就労希望 政府調査雇用、賃金の不安 背景

2012/05/26

 子育て家庭の妻の86%が正社員やパートで仕事に就くことを希望しているという政府の調査結果が分かった。近く閣議決定する2012年版「子ども・子育て白書」に掲載される。長引く景気低迷で賃金水準低下に加え、リストラ、非正規雇用拡大など雇用の不安定さが増す中、夫婦共働き志向が顕著になった。

 白書は、子どもを持つ女性が出産後も働き続けるのは依然として厳しいと指摘。その上で、保育の受け皿を拡充する新子育て施策関連法案の意義を強調しているが、野党は法案の柱である「総合こども園」構想に反対しており、就労支援強化の道筋は見えていない。

 調査は11年11月、18歳以下の子どもがいて、夫婦で子育てをしている20~49歳の女性を対象に、インターネットを通じて行い、1万2,289人から有効回答を得た。回答者の中には、就労中の人と無職の人の両方がいる。

 就労に対する意向を聞いたところ「今後はパートで働きたい」が最多の45・3%。「今後は(今後も)正社員で働きたい」25・8%、「最初はパート、ゆくゆくは正社員で働きたい」14・9%と続き、何らかの形で働きたいと考えている人が計86%に上った。「今後は(今後も)働かない」は11・6%だった。

 地域別でみると、「正社員で働きたい」は、東北35・6%、北陸33・8%、中国・四国28・2%の順。「働かない」は、近畿13・8%、北海道13・5%、首都圏12・8%の順で多かった。

 今後働きたいと思っている妻に、職に就きたい時期を尋ねると「できるだけ早く」が23・8%、「子どもが幼稚園、保育所に入ったとき」は22・1%、「子どもが小学校に入学したとき」は20・0%だった。

  新子育て施策関連法案  幼稚園と保育所の垣根をなくし一体化することが柱の新しい子育て施策「子ども・子育て新システム」の関連法案。待機児童の解消や、就学前の全ての子どもに良質な教育と保育を提供するのが狙い。(1)児童福祉法など関係法を一括して改正するための法案(2)幼保一体化施設「総合こども園」を創設する法案(3)幼稚園と保育所で分かれていた運営費補助を原則一本化する法案-で構成。政府は2013年度からの段階的な施策の実施を目指している。