2012/05/22
高浜さん(20)
「学び参考に努力したい」
サンマやアジの干物を中心に生産販売する尾鷲市天満浦の水産加工業「丸高」に、高浜敏泰社長(64)の長男で伊賀市の農業法人で“修業”していた有祐(ゆうすけ)さん(20)がUターン就職した。別の分野で働いた経験を生かし、魚の町の尾鷲を元気にしようと、日々奮闘している。 (宮崎正嗣)
丸高は漁船の無線機器の修理業を営んでいた敏泰さんが1981年に創業し、現在10人が働いている。戦前から続く業者が多い市内にあっては新しい店。昔ながらの天日干しではなく衛生面を考え乾燥室で作る商品を売り出し、全国の百貨店にも出荷している。
有祐さんは高校時代から敏泰さんの営む店を継ごうと考えていたが、一度違う業界を経験しようと、尾鷲高校卒業後、伊賀市の「伊賀の里モクモク手づくりファーム」に就職。実家を離れ、2年間働いた。
モクモクファームでは、米やイチゴ栽培のほか、レストランのホールスタッフ、店頭販売などを経験。農作物の流通の仕組みや現在拡大しているネット販売などについて学んだ一方で、真夏の畑での間引きや草取りなど過酷な労働も経験した。
丸高水産では、魚をさばいてから乾燥させ、干物を袋詰めにするまで、商品の製造作業をすべてこなす。百貨店での物産展での店頭販売も任されるが、魚の特徴をうまく説明できなかったこともあったという。高浜社長は「魚のさばき方は見ていたらある程度覚えられるが、売り方はセンスが必要。若いうちから販売の大変さを知ってもらいたい」とあえて助言をせずに、突き放している。
有祐さんは「知識も経験もまだまだ。魚の見分け方や売り方など、毎日の作業すべてが勉強。パッケージのデザインなど、モクモクで学んだ地域特産品のブランド化の方法も参考にしながら、努力していきたい」と話している。
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