2012/05/14
就職がうまくいかないことを苦に自殺した30歳未満の若者は、2011年に全国で150人に達した。警察庁によると、10年(159人)から2年連続で年間150人以上となり、現行の調査を始めた07年の2・5倍に急増している。
08年秋のリーマン・ショック後の景気低迷に加え、東日本大震災や円高で企業が新卒採用を絞り込む傾向が続き、若者の就職難が長期化していることが影響したとみられる。
大学4年生は4月以降、就職活動を本格化。政府は近く若者の雇用対策を打ち出すとともに「自殺総合対策大綱」を5年ぶりに見直し、若年者の自殺予防策を強化する方針だ。
警察庁によると、11年まで14年連続で自殺者数が年間3万人を超えている。自殺は、複数の要因で引き起こされることが多いが、警察庁は遺書や遺族の聞き取りなどから、就職の失敗が動機とみられる自殺数を調査。30歳未満の150人のうち男性が126人と8割強を占め、女性は24人だった。52人が学生で、このうち大学生が41人を占め、高校生も4人いた。
就職失敗が原因で自殺した若者は07年に60人、08年に91人だったが、リーマン・ショックの影響で就職難だった09年に130人に急増し、その後も高止まりしている。
若者の雇用環境は、11年3月卒の大学生の就職率が過去最低の91・0%に落ち込むなど厳しさが続く。15~24歳の若者の失業率も11年平均で8・2%と、全体の失業率(4・5%)を大きく上回っている。
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